第49回毎日王冠-稀代の逃げ馬、サイレンススズカ-

2011.07.06

1998年に行われた第49回毎日王冠は今観ても鳥肌が立つ。稀代の逃げ馬、サイレンススズカが勝ったレースで、ご覧になったことのある方も多いと思う。2着のエレコンドルパサーは、この次に出走したジャパンカップを勝ち、次の年に凱旋門賞に2着した馬だ。その馬より、2キロも斤量が多かったにもかかわらず、文字通り影をも踏ませない勝ち方をしたのだ。

サイレンススズカのレーススタイルは、他馬を大きく引き離して逃げるのだが、このときは1,800メートルと距離も短かかったため、やや引きつけて逃げているような感じに見える。しかし、決してペースが遅かったわけではなく、1,000メートル通過が57.7秒とむしろ早いペースだったと言える。

そんなペースながら、第4コーナーに差し掛かって、ビックサンデーや前年のGI朝日杯3歳ステークスの勝ち馬で2番人気のグラスワンダーに並ばれそうになりながら、余裕で突き放しているのだから恐れ入る。

同馬の主戦騎手だった武豊騎手が、かつてサイレンススズカを「逃げて差せる馬」と評していた。どういう意味かと言うと、普通の馬が2,000メートルを走る場合、最初の1,000メートルを57秒くらいで走ると、残りの1,000メートルは62秒以上かかってしまう。ところが、サイレンススズカは60秒以内で上がってこれる馬だったということである。

このレースの映像は、その言葉の意味がそのまま再現されているものと言っていいだろう。

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