レースの距離と騎手のペース判断

2011.05.27

騎手は、200メートルごとに立てられているハロン棒を過ぎるときの感覚で、どの程度のペースでいま走っているかを判断できるそうだ。とくに一流といわれる騎手は、この感覚に優れていると言われる。

そんな騎手でも、1,200メートルのレースを走った後、長距離のレースに騎乗するとペース判断に狂いが生じるらしい。卑近な例で恐縮だが、我々が高速道路を走った後に、一般道に出ると知らずにスピードが出過ぎているのと同じ感覚だと思われる。ある騎手がGIの長距離レースに騎乗する直前に、1,200メートルのスプリント・レースに騎乗したことがあった。そのとき、すでに引退した師匠筋にあたる騎手に「お前は神様にでもなったつもりか?」と諌められたそうだ。

真意のほどはわからないが、こうしたレースによるペースの違いを意識して、GIに騎乗する日のレースを調整している騎手も確かにいるようだ。2008年の有馬記念でダイワスカーレットに騎乗した安藤勝己騎手にそれが感じられる。

同騎手は、この日、中山競馬場の他のレースには一切騎乗していない。アンカツほどの騎手なら騎乗馬がいないということは考えられず、意図的なものは明らかだ。メインである有馬記念の前に他のレースで落馬負傷することも考えられるため、そうしたアクシデントを防ぐ意味もあったのかもしれないが、ペース判断も含め、本番への悪影響を排除するという意図があったことは間違いない。

GIレースを予想する場合には、当日の騎手の騎乗予定も参考になることを覚えておきたい。

関連記事

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ